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2012年9月6日

マダコの生活は弱肉強食

同じマダコなのに、どうして関東と関西では旬の時期が違うのでしょう。
 
関東のマダコは、年越し魚と同じように年末に食べられることが多いのですが、関西では、「麦わらダコに祭りハモ」といって夏場に珍重されるのです。
 
特にタコの名産地として知られる明石周辺では、梅雨の水を吸って大きくなり、梅雨が明けると釣りごろ、食べごろの時期を迎えるのです。
 
同じマダコなのに、どうしてこんな違いがあるのでしょうか…?。
 
それは、マダコには地付きと呼ばれる余り移動しない群れと、渡りと呼ばれるよく移動する群れがあり、それぞれ旬の時期が変わるのだそうです。
 
関東周辺でも東京湾で取れる江戸前のマダコは、渡りと呼ばれるものが多く、夏の終わりから秋にかけて大きく成長するため、年末に食べごろの季節を迎えるのだそうです。
 
一方、マダコが多い明石周辺では、一年中余り移動しない地付きのタコが多く、春から初夏にかけてぐっと成長するので、夏場が美味しい時期に当たるのです。
 
マダコは成長するにつれて縄張り意識が強くなり、自分のテリトリーを強く主張するようになります。1匹が持つ縄張りの範囲は、大体5m四方だと言われています。ですからたこつぼ漁が盛んな地域では、たこつぼを縄に取り付けるとき、間隔を5m以上離すそうです。5m以内に何個もたこつぼを付けてもその範囲に縄張りをもつマダコの数が限られるので、すべてのつぼにマダコが入る可能性が非常に低いからです。
 
マダコは、自分の縄張りにちん入者があると、追い出そうとして襲いかかってきます。ですから小さなマダコだと、縄張りを持った大きなマダコに食い殺されることもあるそうです。

これは、自然界で起こる現象だけではないそうです。タコを取る漁師が取ったタコをかめと呼ばれるイケスに放り込むとき、先に大きくて強いマダコが入っていると、あとから放り込まれたマダコが襲われることがあるそうです。イケスの中でもすでに縄張りを持っていて、ほかに侵入者があると襲おうとするのですね。
 
あとから入れたタコが襲われないようにするために、漁師はあることをします。縄張り意識の強い魚を水槽で飼育したことがある人なら知っていると思いますが、あとから入れた魚はいじめられますよね。
 
あれと同じ現象なので、漁師は先に釣れたマダコをいったんイケスから出し、あとで釣れたマダコと一緒にイケスに戻してやるのです。こうすると仲良くイケスに収まり、襲われる心配がないそうです。
 
関西では、マダコ釣りのテンヤの上に派手なテープを取り付けて、水中でゆらゆら揺すりながら釣るのは、マダコにちん入者が来たよと強くアピールするためなのです。
 
その場所に縄張りをもつマダコは、マダコではないけどけったいな奴が自分の縄張りに侵入してきたと、まず威嚇のためにキンキラテープに飛びつき、ふと下を見ると美味しそうなエサがテンヤに縛り付けてあるので、改めてテンヤに抱きつきに来るそうです。
 
このシーンは、某テレビ局の釣り番組でも放送されたので、なるほどなぁと納得させられましたよ。
 
次回は、タチウオの反射食いについて考えてみましょう。