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2012年8月2日

上手なイカの持ち帰り方

各地でイカ釣りが始まりました。イカは大昔から日本人の食卓をにぎわしてきたせいでしょうか、地方によって様々な呼び名がありますね。
 
たとえば美味しさではNO1といわれるケンサキイカを例に取ると、関東ではマルイカ、伊豆方面では、紀伊半島と同じようにアカイカ、若狭地方ではマイカ、但馬地方ではシロイカ、九州では名産地である五島列島の名を冠してゴトウイカと呼ばれています。
 
アカイカやシロイカというのは、その体色から生まれた呼び名で、生きているときは赤くなったり白くなったりと、文字通り体色をころころ変えるイカなのです。

さて、せっかく釣った美味しいイカを持ち帰るとき、その方法が分からなくて味を台無しにはしていませんか。
 
イカ専門の漁師さんは、実に上手な持ち帰り方をしていますよ。水揚げしてから鮮度を落としてしまうと競りのときに値が半減することもあるそうです。
 
いい状態のイカというのは、色落ちしていなくて、まだ色素細胞が活発に動いている状態なんだそうです。保存の仕方が悪いとまっ先に色落ちして、身に透明感がなくなり白濁してしまいます。こういうイカは値が半減するそうです。見た目もよくないし、歯応えなども落ちるんでしょうね。
 
それでは、色落ちさせずに上手に持ち帰る方法を紹介してみましょう。
 
まず、釣り上げたイカをどうするかです。大きな個人イケスがあって、ホースで常に海水が注入出来るような設備があれば、そこで生かしておきましょう。でも、そんな充実した設備のあるイカ釣り船は少ないですよね。 
 
また、小さなイケスでイカを生かしておいても、人が動いたときに驚いて頭をぶつけたりするので、こういう環境は余りよくありません。かえってイカにストレスを与えてしまいます。だから、早めに死なせてクーラーに保存しておく方がいいのです。
 
釣り上げたイカは、四角くて平らなザル(食器を洗った後に入れておくざる付きの容器のようなもの)に落とし、そこでスミを吐かせておきます。
 
スミを吐かなくなったら、今度はあらかじめクーラーやバケツの中に凍らした2㍑容器のペットボトルを1、2個入れ、海水を注いでよく冷やしておきます。
 
この冷やした海水の中で、帰るまでイカを保存しておきます。これがポイントですよ。イカを氷に直接当てたり、氷が溶けたときの真水にイカを浸すと色落ちしてしまいますよ。色素細胞が死んで、身が半透明どころか白濁してしまうと見た目も悪いし、味も落ちてしまいます。
 
イカを真水に当てるのが一番悪いので、凍らせたペットボトルで真水が交じらないよう海水を冷やし、その中でイカを保存しておくと、いつまでたっても色落ちしません。
 
イカが大漁に釣れたときはペットボトル1、2本では足らなくなります。大きめのクーラーを持参して、4、5本は凍らせて持っていくようにしましょう。
 
こうして色落ちさせずに保存したイカは、家に着くまで同じ状態を保っておきたいですね。そこで、クーラーの中にすっぽり入る四角いせいろのようなものを2、3個作っておきます。まず、クーラーの底に氷を敷き詰めその上に四角いせいろを乗せます。せいろの底は冷気がよく通るように、すのこのような状態になったものがいいですね。
 
せいろの上になるべくイカが重ならないよう並べ、一杯になったら、もう一段せいろを乗せます。同じようにイカを並べて、さらにもう一段ぐらい積み重ねたら、クーラーは満杯になるはずです。

こうして持ち帰ったケンサキイカは、色素細胞が活発に動き、体色はぶどう色を保ったままのはずです。見た目も綺麗し味も一級品ですよ。