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2012年7月6日

魚はどこを見ているのか?

人の目は、片方の目をつぶっていても物を見ることが出来ますが、魚の目は両眼で物を見るように出来ているそうです。
 
ですから片方の目では、物がよく見えないそうです。もっとも、瞼のない魚がほとんどですから片方の目をつぶってという器用なことが出来ないのも事実ですが…。
 
魚が両眼で物を見るときの範囲、つまり視野は約30度しかありません。それ以外の範囲は、頭をそちらの方向に向けて見ないと、よく見えないそうです。
 
まあ、これは人だって同じようなもので、正面はよく見えますが、左右は見えにくいですよね。だから、首をそちらの方向に回して物を見ようとしますよね。

さて魚の場合、両眼視野の中心を視軸といいます。視軸とは、ものが一番見えやすい方向と覚えておけばいいでしょう。
 
この視軸は、魚によって変わります。

たとえば沖釣りでマアジを狙っているとき、こんな経験をしたことはありませんか?。狙ったタナまで仕掛けを落として、コマセを振ってゆっくり誘い上げながらアジを食わせようとしたとき、仕掛けを誘い上げているときは全然反応がないのに、誘いきって仕掛けを落とそうとしたときにアタリが出たとか、空バリの仕掛けで必死になってアジを食わそうとしているとき、いくら誘い上げても食わなかったアジが、上から仕掛けを落とし込んでやると、一発で飛びついてきたという経験はなかったですか…。
 
これは、マアジの視軸が上向きになっており、上から落ちてくるエサに反応しやすいためです。同じように底棲魚であるカレイやヒラメ、マゴチなども常に海底にいるために、視軸が上向きになっているのです。
 
また、カレイのように底にいる魚ではないのに視軸が上向きの魚がいます。その代表的な魚がスズキです。エサ釣りでは余り感じないかも知れませんが、ルアーで狙ってみるとよく分かりますね。
 
ルアーは、底を引くよりも中層、中層を引くよりも表層と、浅いタナでヒットすることが多いですね。これはスズキの視軸が上向きで常に上しか見ていないからです。ですから視軸の下をかい潜ったルアーには反応しにくいのです。
 
では、人気のあるマダイやクロダイの視軸は、どちら向きでしょうか?。
 
どちらの魚もエビやカニなどの甲殻類のエサを好むためか、視軸は下向きになっています。その方がエサを探すときに好都合なんでしょうね。
 
ですからコマセで魚のタナを上げない限り、サシエがマダイやクロダイのいるタナよりうんと上方を漂っている場合は、なかなかサシエには気付いてくれず、アタリもないという状態が続くことになります。
 
魚の視軸で最も厳しいのがイサキではないでしょうか。イサキはタナを釣れ、という名言があります。これはタナが合っていなければ釣れない魚だという意味です。

イサキの視軸は、真っ直ぐ前方にあります。だからイサギが群れている深さにきっちり仕掛けを落とさないことには食わない魚なのです。もちろんコマセを使った釣りでは、コマセの威力によってタナが少しぐらいずれていても釣れることはありますが、やはりほかの魚に比べてタナ合わせが難しい魚のひとつでしょうね。
 
イサキと同じように視軸が前向きな魚にはブリやメジナ、アイゴなどがいます。
 
次回は、台風のシーズンに備えて「恐い一発大波」のお話。