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2012年5月17日

磯竿・・・3(デザイン)

皆さまこんにちは。山口雅三です。水温もだんだんと温んできて、いろんな魚が元気になってきだしました。海の中では新子と呼ばれる生まれたての赤ちゃんがたくさん放出される季節です。そのため生物の活性はすこぶる上がり、釣り人にとっては厄介な「餌取り」という表現で手を焼く魚もたくさん現れてきます。特にこの時期小サバなどが出だすとフカセ釣り師にとっては大変苦労させられます。
 
こういった餌取りをかわして大物を狙う人もいれば、時期が時期だけに鮎釣りに行く人もいます。いずれにしても釣り人は年中魚を追い求めているわけです。
 
さて今回も竿のことについて触れてみます。釣具店に行くと磯竿コーナーと呼ばれるところにはずらりと竿が並んでいます。竿を初めて手にしようと言う方から見ればどれも同じように見えますね。不思議と陳列の様は右の方から価格帯の安いもの方始まって左の方に行けば重厚感あふれる容器に包まれた高級な竿が並んでいます。縦におく商品は日本人の文字の読み書きが右から始まっていくあたりに関係しているのでしょう。価格帯の違いはカーボンの使用のし方、使っているガイドの種類、リールシートの違い、重さなどのほかに塗装も大きな要因になっています。表面処理は対候性(対紫外線)や塩分に対する処理(対塩性)、べたつき防止(ノンコンタクト)の処理があるかないかでも価格帯に関係しています。そしてデザイン。
 
昔からこり症の多かった釣り師は自作の竿を披露していくことにも楽しみを持っていました。自分独自の竿というものです。特にバット部分にデザインのこだわりがあって、研ぎ出しという手法や堰糸で編むと言った方法で楽しんでいました。今は作る人も少なくなったと思いますが、それだけ釣り竿というのは他の道具と違って思い入れが強いものです。中には何時間も眺めていても飽きないと言う人もいるでしょう。竿のデザインには機能性も重視されるということ以外に手にした方の優越感のようなものが関係しているということがおわかりになったかと思います。
 
今や10万円を超える竿もかなりたくさん出ています。逆に安い竿となると1万円を切るものも出ています。大きい魚をかけた時にそれなりに結果がついて来ます。魚をかけた時は人も竿の操作をしますが、ほとんど竿に任せているのが現実です。人が手の動きだけで魚の動きや力、速度に対応できるはずもなく、微妙なテンションの変化や瞬時の移動には、竿の持つ粘りや反発力なしでは対応できません。高級な竿になってくるとその辺が大きく違います。しかしその機能が高いだけでは釣り人は振り向きません。やはりその値打ちに見合ったデザインがないと手にした喜びが湧いてこないものです。
 
ダイコーの竿で「瞬技」という竿があります。このメーカーのオリジナル波マークが象徴的な意味を持っていますが、そのマークを竿の胴の部分にうっすらと奥の方から浮き出たように演出がされています。不思議なデザインです。こうなるとそれだけで高級感があります。またアラグレというモデルの60周年バージョンに関しては白いラインを基調としてよく目立つデザインになっています。よく目立つというのは道楽の釣りのことですから釣り人の心をくすぐるわけです。持ってよし、釣って好し。釣れてないときでも結構それなりに釣りを楽しんでいるということになりますね。
 
さて次回はガイドの役目について語ってみましょう。SICガイドの機能と重要性です。(続く)