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2012年5月7日

磯竿・・・2

皆さまこんにちは。山口雅三です。楽しい釣りをしていらっしゃいますか。気温が温かくなってきたことと、朝も早くから陽が昇りだして遊ぶ時間が長くなりました。大変うれしい限りです。
 
サツキの花が咲くと初夏。そうです。海の中もどんどん水温が上昇してきます。魚の活性が高くなって来ます。特に早い地域では半夜という「夕方の時合いを釣る」釣りがあります。警戒心も薄らいで活性が一番高くなります。竿をひったくっていく大型の尾長メジナもこのころからが一番面白くなっていきます。剛竿が極限まで曲がる面白さを存分に味わうことのできる時期です。
 
さて今回も前回に続いて竿について書いてみます。
 
先程、剛竿と書きましたが、竿の調子によるもので穂先が太いからとか使用号数が大きいとかいうものではありません。竿の選定は仕様ハリスや錘負荷によって決まりますが、それらは対象魚種によって決まってきます。フカセ釣り場合、まずはハリスとの相談です。
 
まず先端から、「穂先」といいます。穂先はアタリを取ったり道糸をコントロールしたりするのに大変重要です。号数の大きい竿でも穂先は繊細な0.8mm程度のものです。
 
でも最初からだらんと垂れていてはいけません。しかし穂先(トップ)ガイドは糸通りを気にしてつとくなります。
 
愛用するダイコーの竿ではチューブラーという特殊な形状の穂先を持っており繊細軽量であってシャンとまっすぐになってる技術的はこの上ない方法を先端までカーボンを用いて製造しています。
 
2番ガイドからはSICを使ったLGガイド。SICというのは、炭化ケイ素のことを言います。共有結合性の化合物で天然には無いものです。高硬度で耐熱性、耐久性に優れていてきめの細かさと研磨性のよさから摩擦抵抗のきわめて小さい素材であります。そのガイドを支持しているのがフレームと呼ばれるもので2液性の透明な低粘度の接着剤で止めています。フレームにもガイドがきれいに収まるような工夫がされ毛細管現象で前週に接着剤を回しています。家庭ではなかなかできる作業ではありません。
 
そのフレームはダイコーの竿のほとんどがチタンを使っています。非常に軽いわけです。
 
そして穂先のすぐ手前を「穂持ち」と言います。竿の扱いが良くないと負担がかかる怖い場所ですが、竿の角度を注意すれば急激な魚の動きを一番素早く受け止めてくれす場所が2番で、大きな魚の動きもショックアブソーバの役目で重みや衝撃をスムーズの3番に伝える役目があります。磯際で中型サイズの魚をぶりあげたりする方がいます。ハリスが長いせいで対竿を高くたてる場合があります。こんなとき穂持ちに急な荷重がかかって竿を折ったりします。
 
たとえ磯の上にぶりあげる時は竿の角度をやり取りしているときの角度のまま大きな円弧を描くようにして釣りあげてください。しかし釣った魚がなんであれ、磯の上に叩きつけるような行動はあんまり褒められるものではありません。できるだけ丁寧に玉網で掬うようにしましょう。その方が練習になっていいと思います。
 
その次に3番、4番となります。ここは魚の威力を力対力で受け止めるところで竿の強さが一番試されます。竿の強度を信じて目いっぱいその弾力を利用してください。このあたりは雨にぬれた時もノンコンタクト塗装で竿の表面をエンボスにして糸がくっつかない方法を取っています。
 
ただ極限まで達した状態で更に瞬間の荷重がかかったり、竿の順々に力が伝わるよりも速く急激な力が掛かると、バットの部分と4番の間に相当な負荷がかかります。高級な竿になってくるとそこらあたりの微妙な竿の板圧を替えて力が集中しないように作っています。
 
通常のやり取りで竿が折れることは滅多にありませんが、私の場合過去にクロダイ釣りをしていてヒラマサが来た時(長崎県壱岐)と、グレ釣りをしていて鮪が掛かった時(島根出雲)、にもともとハリスが太かったので極限まで出ていく糸を止めるのに反対に気合い一発であおるとバットの部分で折れました。バットとは5番目の機能的に人が一番良く触れるところです。バットはリールシートがあってそこにリールを仕舞いそれでもって伸ばした竿とのバランスを見ます。持ち重り感と重心が持ち手の中にあるかどうかです。
 
効き腕で竿を持ちますが、アシストする左手がバットのグリップエンドをつかみます。片手で捉える魚はフカセ釣りのなかでは大きさがいまいち・・というものだらけです。サイズが大きくなると必ずアシストする左手で魚の方向や抵抗をいなします。竿の表面はエポキシと言われる樹脂でコーティングされ表面はフッ素塗装が施されているものもあります。
 
次回は竿のデザインなどについて綴っていきます。