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2013年3月7日

なぜ、チモトなの?

魚を釣り上げるとき、なくてはならないもののひとつが釣りバリだ。ただ、釣りのとき毎回お世話になっているのに案外知らないことが多いのも事実。そこで、ちょっと釣りバリについて勉強してみたい。
 
 少しでも釣りをかじったことがある人なら、ハリを結ぶ部分のことをチモトと呼ぶことは知っていると思う。
 
では、なぜこの部分をハリモトと呼ばずにチモトと呼ぶの?と聞いてみたら、意外に知っている人が少ないのだ。紀州の老船頭の中にはいまだにハリのことを"ち"と呼ぶ人が多いし、アジやイサギを釣るためのカブラ針を"ちっち"とも呼ぶ。
 
そう、"ち"とはハリそのものを指す昔の言葉なのだ。

「広辞苑」によると、ち【鉤】釣針(つりばり)。神代紀(下)「其の故の-を責る」とある。
 
神代といえば神武天皇が即位する前の時代、つまり、神が国を治めていたとされる時代のことで、神代紀はその時代のことを表した古典。そこに"ち"という言葉が登場するのだ。ただ釣りバリそのものはもっと歴史が古く、縄文時代の貝塚から出土したものが数多くある。これらは古代針と呼ばれ、その多くは獣骨や貝殻、木の股などを利用して作られたものだった。
 
チモトとは、鉤(ち)の元から来た言葉だということがわかった。ただ、古代針から進化し続けてきたハリは、鋼で作られるようになってからさらに種類も増え、チモトの形も多様になった。もっとも一般的なハリのチモトは、ハリスがスッポ抜けないように叩いて平たくしたものだが、その形が耳に似ているのでこの部分をミミと呼ぶ。
 
日本で作られるほとんどのハリは、このような形のミミを持ったものだが、アユの掛けバリのように3本とか4本のハリを結束してイカリバリにするとき、平たくしたミミの部分が邪魔になってうまく結べないので、叩いてミミを作るかわりに、チモトの部分の内側だけに無数に切れ込みを入れたものがある。こういうタイプのハリは、ギザミミと呼ばれている。
 
また、昔の漁師用のハリに多かったのがシュモク(撞木)と呼ばれるタイプだ。撞木は鐘などを鳴らすためのT字型の棒のことで、漁師用がよく使っていたハリのチモトが、この鐘を叩く棒の形とそっくりだったために、このような呼び名が生まれた。
 
チモトがミミのようにカーブを描いて、左右に広がっているのではなく、ほぼ直角に両横に広がっているため、ハリスが滑ってすっぽ抜ける心配がないタイプのハリだ。
 
チモトの部分を曲げて小さな輪にしたものは、管つきバリと呼ばれる。この管つきタイプはアメリカやヨーロッパに多いハリで、日本では大物の泳がせ釣りや、クエ釣り用のハリなどによく見られる。また、同じような管つきでも、チモトを叩いて平たくし、その平たくした部分に穴を開けたイシダイバリなどは、穴さらえとよばれている。 このような管つきタイプのハリは、チモトに直接ハリスを巻き付けて結ぶ場合もあるが、たいていはハリスを管に通してから、ハリスも輪にしてスリーブなどで固定し、ハリが自由に動くようにして使うことが多い。こういう結び方を首振りタイプと呼んでいる。
 
最後にハリの各部の呼び方を紹介しておこう。チモトの下、直線になった部分を軸と呼び、この軸とハリ先までの間をフトコロ、ハリ先の下についた突起をカエシとかモドリと呼ぶ。