9月中旬の大増水後も、大会前の好天続きでアカも相応についているが、広大なフィールドの中から的確に鮎の付き場を見つけていかないと数が伸びない状況。
これにより、予選リーグは、誰もが広大なエリアを探り歩くことを余儀なくされ、雨と気温水温低下による寒さとも戦いながら、追いの鈍いアユを掛ける釣技はもちろん、精神力、集中力に体力さえも試されるという、タフコンディション下での過酷な戦いとなりました。
また、今大会には、各競技会で活躍する有名選手が多数参戦。
試合運びの巧さはもちろん、様々な状況やフィールドに対応できる幅広い釣技を身につけたオールラウンダーが多く、激流にもめっぽう強い強豪選手が勢揃い。
オールスター戦と言っても過言ではない状況に、誰もがスパートするのは至難の技で、予選リーグ4試合は、いずれも大接戦となりました。
そして、この激闘に終始した予選リーグ4試合を制し、見事頂上決戦の舞台へ名乗りを上げたのは、小沢 聡選手(オザワ サトシ・愛知県/インストラクター選抜戦1位)、八木沢 博選手(ヤギサワ ヒロシ・栃木県/セミファイナル東日本大会5位)選手、楠本
慎也選手(クスモト シンヤ・和歌山県/セミファイナル西日本大会3位)の3名となりました。
注目の頂上決戦は、このために温存していた「柳瀬(ヤナノセ)」で開催。
ギャラリーと選手、報道陣、スタッフに見守られての試合は、小沢選手が前半戦で幸先よいスタートを切り順調に数を伸ばして行くのに対し、ここまで一歩抜きん出た "巧さ"を見せつけていた八木沢選手、楠本選手が、誰もが予想だにしなかった、よもやの大苦戦。
雨による微妙な水位変化で付き場が変わっていく鮎を求めて奮闘しますが、ケラレや水中バレもあってペースに乗れません。
小沢選手6匹、八木沢選手3匹、楠本選手2匹で迎えたエリア交替しての中盤戦は、楠本選手もオトリをかえることに成功して追撃体制に入りますが、雨が土砂降りになってコンディションはさらに悪化。
ポイントを見ることはもちろん、目印を視認することさえ難しい状況に後が続きません。
対して、小沢選手は、厳しい状況の中での中盤戦でも2匹追加すると、2名の追従を許さないかのように、最終ラウンドの後半戦でも追加。
そして、決勝戦の競技が終了。
検量の結果は、小沢選手がジャパンカップV4達成。見事、4度目の栄冠を手にしました。