伊藤守選手、全国大会3度目の挑戦悲願のG杯獲得!
戦いの緊張から解放され表情を緩めた伊藤守選手は、G杯を手に喜びをかみしめるように「精いっぱい釣りました。今はほっとしています」と、わずかに口元を緩めた。
投げ釣り歴20年。キスの数釣りの面白さを覚えたころから、いつか自分にも(全国大会出場の)チャンスがあるかも」と「G杯出場」の目標立てた。そして「しっくりくる相性のいいサオ」という「がま投げスーパーキャスティング35号」を手にした02年から「精いっぱいやってみよう」と石川、新潟の地区予選に出場し、2009年に初めて「第30回全国大会」(鳥取県・浜村海岸)に出場した。ここまで10年ほど掛かった。
このときは予選1、2回戦を順調に釣るも、3回戦でつまずき、わずか1匹差で決勝進出を逃した。昨年は悪条件とはいえ予選でわずか2匹差での敗退。
決勝進出への壁の厚さをいやというほど思い知らされた。
今年は静岡の福田海岸まで遠征して出場権を得た。「戦う術」を見直し「自分を信じて」挑戦した「今年こそ」の思いからだった。
もう一つこだわったのが「左」。
サウスポーだからフィールドも左エリアを選ぶことが多く、今回も予選を通して左エリアばかり。「縁があるのでは」とばかり、決勝戦でも最後に残っていた左の定位置をしっかり確保。得意の中距離でいきなり2連、2連。他の選手が移動を繰り返すなかで、何度か素バリも引いたが動くことなく1時間半キャスティングし16匹の釣果。
相性バツグンの「がま投げスーパーキャスティング35号」とともに目標を追い求め、左サイドで得意の中距離を攻め続けたブレない伊藤選手のこだわりが、価値あるG杯優勝を引き寄せた。
時を越える名竿 がま投 スーパーキャスティング
古いサオで10年以上使っています。持ったときの第一印象がよく、キスのいい反応も出る。色々なサオを使いましたが自分の体に合っているので、中距離でも手前の釣りでも使います。もう販売していないでしょうね。
強靭なハリ先の秋田狐と、吸い込みの良いシロギスファイン
「秋田狐」はハリ先が強いし、小型の魚でもしっかり掛かります。細かいエサも付けやすく、手返しが多くてもヘタレないです。下見で小型のキスが多かったので予選では「秋田狐」を使いました。
決勝では15cmのキスが釣れたので「シロギスファイン」に替えました。これは吸い込みがよく掛かりがいいです。
特に長、中距離だと空巻きの時間が多いから、バラシのないこのハリを使います。(仕掛けを)回収するとき魚が外れるとショックですから。特に私が得意の中距離ではお世話になっています。
信頼のおけるハリです。