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東京湾奥秋のルアー五目

FISHING JAPAN

スタイリッシュでクールでスマートなヨッシーだが、やはり海の男だ。

魚沸き立つナブラには血が騒ぐ。

千葉は寒川港・守山丸からルアー五目に挑む今回のヨッシーは、目つきからして違う。

ミヨシに仁王立ちし、腰に手を当て、水平線も燃えよと言わんばかりの猛烈な目力で、魚の跳ねを探しているのだ。

猛烈な目力。

それは守山丸の金子輝人船長も同じだ。

ちょっとコワモテだが実は優しいその眼差しが、この日はレーザービームのような鋭さで、魚探を、海を、見据えている。

あ跳ねたボラだなあれは!

ふだんなら「あ・・・。跳ねた。ん~、ボラ・・・だな、あれ・・・」とまったり気味のヨッシーが、めちゃくちゃ早口だ。 

ヨッシーが見つけようとしているのは、東京湾ルアー五目の花形選手、サワラである。

サワラとボラの見分け方?

カンタンだよ。

ボラはビョ~ンと跳ねたらそのまま落ちるでしょ? 

でもサワラは、頭から着水するんだ。

イルカのジャンプみたいにね。

すぐに分かるよ。

金子船長がポイントを探り、浦安~船橋沖、船橋航路を中心とした水深10m前後のポイントで釣りを開始したのは6時40分。

いつになくゆったり準備をするヨッシー。

戦いに挑む緊張感に包まれている。

ルアー五目って言うぐらいだからね。

ルアーで釣れる魚なら何でも狙う。

東京湾だと浅場でのシーバスと青物が中心だ。

最近ではトラフグやタチウオも釣れるみたいだよ。

キャスティングするからハードルが高く感じる人も多いみたいだけど、マグロほどじゃない。

タックルもライトだし、とにかくナブラさえ見つかれば釣れる確率が高い釣りだ。

船でのキャスティングゲームの入門にピッタリだと思うよ。

ナブラ「さえ」。

ヨッシーの言葉には、どこか悲壮感が漂う。

ナブラが見つかれば、チャンスはある。

でも、ナブラが見つからなければ・・・。

この釣りが面白いのは、運の要素がかなりあるってこと。

ベテランだから、ビギナーだからという腕の差よりも、運のほうが効いてる気がする。

とは言えヨッシーは、運頼みしているわけじゃない。

持っている引き出しをすべて開ける、という感じだ。

いつもより口数が少なく、海を見据えるときは眉間にシワなど寄せちゃっている。

ピリピリとした空気・・・。

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