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2015年10月15日

寒くなったらガシラと遊ぼう

陸っぱりでは、寒くなって水温が下がり、釣り物が少なくなってきたらガシラ釣りである。
 
その気になれば一年中釣れる魚だし、水温の高い季節の方がよく釣れるのだが、それをわざわざ寒い季節に釣るのは、ほかの魚が釣りにくくなるためである。

ガシラとは、関西の呼び名だが頭でっかちの魚なので、頭(かしら)が訛ったものかも知れない。
 
瀬戸内海の下津井周辺ではアカメバルとも呼ぶが、瀬戸内沿岸ではホゴの方が一般的。
 
これは昔、米俵のようにわらで編んだ袋や篭の上部が全部あいているものをホゴとかフゴと呼んだためだ。
 
これになぞらえて大口を開けて上がってくるガシラをホゴと表現したのだ。
 

九州ではアラカブの呼び名でおなじみ。
 
この魚をぶつ切りして煮込んだみそ汁は郷土料理になっている。
 
面白いのは神奈川県三浦半島周辺の呼び名だ。
 
顔の周りに突起やまだら模様があって汚く見えるため、ツラアラワズ(面洗わず)と呼がおいしい魚だけに少し可哀想な気もする。
 
ガシラは普通の魚のように卵を産まない。
 
晩秋から初冬にかけて交尾し、メスのお腹の中で成熟した卵が12月から2月ごろに仔魚となって産み出される。
 
こういう魚を卵胎生魚と呼んでいる。
 
ガシラはもともと多産で、産卵期に入ると1尾の魚が3、4回に分けて産卵するのが
普通だといわれている。
 
 
水深が2、3㍍の浅場から、50㍍を超える深い場所まで生息している。
 
だが漁師はこのようなガシラとさらに深い場所にいる体色の鮮やかなガシラと、はっきり区別している。
 
沖の深場にいるガシラは、関東でカンコやアンポンタン、関西では沖ガシラと呼ばれているウッカリカサゴのようだ。
 
漁師はどうして見分けるのか、不思議だが地ガシラと呼ばれるカサゴの方がうまいというし、出荷したときに明らかに値が違うのだ。
 

味はもっとはっきりしていてウッカリカサゴは筋肉質で身は硬いがガシラほど
甘みがない。
 
ガシラは身がねっとりした感じだが上品な甘みを感じるのだ。
 

ガシラは、潮時にもこだわらず、いれば食う、といった感じの魚なので、初心者でも釣りやすい。
 
防波堤では、壁際を短竿で探り歩く脈釣りがお勧め。
 
大きなケーソンを積み上げた防波堤では、ケーソンの継目が好ポイントになるし、テトラポッドが入っている護岸や防波堤では、1・5mぐらいの短竿でエビや虫エサを使って穴釣りが楽しい。

ガシラも沖ガシラも煮付けが定番料理だが、大型は刺身やにぎり鮨にしてもうまいし、魚ちり風の鍋も冬場には欠かせない。
 
小型は唐揚げにすると子供さんが喜ぶし二度揚げすると骨まで食べられる。