初めての方へ

HOME

釣り船予約

最新攻略コラム

2015年5月28日

タチウオを食べ尽くす

タチウオという魚は、よくご存じのように太刀のように細長い。
 
これを料理するとき塩焼きや唐揚げ、あるいは大根下ろしと煮る「しぐれ煮」にしても身が厚くて幅もある頭に近い部分がうまいし身も多い。
 
したがって身が薄くて細くぺらぺらの尾に近い部分は捨てられる運命にある。
 
この食べにくいぺらぺらの身を上手に使ったのがタチウオの背越しだ。

利用できる部分は何でも捨てずに上手に使う漁師が生んだ究極のタチウオ料理だ。
 
背越しというからには、身も骨も食べる。
 
よって骨が大きくて硬い頭に近い部分はこの料理には向かない。
 
身は薄いが骨が少しは柔らかい尻尾に近い部分だからこそできる料理なのだ。
 
しかも料理法がいたって簡単というのもうれしい。
 
大型のタチウオなら尻尾に近い部分だけを使う。
 
これから夏にかけて防波堤でよく釣れるベルトサイズと呼ばれる小型のタチウオなら、まだ骨が柔らかいから1匹丸ごとやってもいい。
 
釣りたてのタチウオなら表面の銀箔はそのままでもいいが、少し鮮度の落ちたものを生で食べるときは銀箔を落とした方が無難だ。
 
タチウオの表皮を覆うグアニンと呼ばれる成分で中毒することがあるからだ。
 
背ビレを切り取ったら、身も骨もいっしょに幅2、3ミリに切り酢の中へ2時間ほど漬け込む。
 
あとは漬け込んだ酢をいったん捨てて、新たに二杯酢を作りその中へ身を移して下ろしショウガを添えたら出来上がりだ。

骨が当たるからと酢に漬け込みすぎると身の方がとろけてしまうから、2、3時間ぐらいがちょうどよい。
 
二杯酢の酸っぱさと下ろしショウガの風味のマッチングが楽しめる料理だ。
 
また、酢に漬け込んだあと味噌であえて刻んだ大葉を散らして食べるのもうまい。
 
ほどよい大きさのタチウオが手に入ったら、叩きにしても美味しい。
 
背ビレに両側から V字に包丁を入れ背ビレを切り取ってから三枚に下ろす。
 
腹骨の部分を包丁ですき取ってから身をバーナーで炙り7、8㎜幅で切っていく。
 
後は刻みネギや大葉を添えポン酢をかけていただく。
 
タチウオの身の甘さがよく分かる料理だ。
 
大型のタチウオが釣れたときは、ぜひ、お造りで味わってみたい。
 
そして、造りを作るときに引いた皮は、捨てずに味わい付くそう。
 
やや身を残して厚めに皮を引いたときは、その皮を短冊切りにして唐揚げにする。
 

サクサクした歯触りでビールのお供に最高。
 
もうひとつは、皮の串焼き。

おでんなどで使う竹岸に薄く引いた皮をぐるぐる巻き付け、塩を振って焼くだけの超簡単料理だが、これがまた旨い。
 
皮と身の間にある脂が染み出てきて絶妙の味つけになるのだ。