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2014年6月12日

魚の神経締め

釣った魚を締めずに海水の入ったバケツなどに入れ、そのまま放置しておくと、やがて魚は酸欠を起こして死んでしまいますね。
 
 
それでもなお、そのままにしておくと身をそり返して死後硬直を起こしてしまいます。
 
 
筋肉が硬直中はまだいいのですが、硬直が解け筋肉が軟化し始めると、組織の中に細菌が侵入して腐敗しやすくなるのです。
 
それだけではありません、筋肉の軟化が進むと、せっかく増加したイノシン酸などのうま味成分が分解されて味が悪くなってしまうのです。
 
魚によって多少変わりますが、死後硬直中に美味しさのピークを迎え、硬直が解け始めると同時に美味しさが低下していくのです。
 
魚を締めるという行為は、死後硬直を遅らせるために行う作業なのです。
 
 
締めるとは、魚の神経が集中する脊髄を一気に切断し瞬時に殺してしまうことですが、こうすることによって、魚の脳が自分が死んでしまったことを理解できず、脳からも信号が送られないために死後硬直が遅れるのです。
 
同時にエラの付け根や尻尾の付け根にナイフを入れ血抜きしておくと、筋肉間の血栓や筋肉の変色が防げるために生臭さが軽減されるのです。
 
 
このように野締めしておくと鮮度が保たれ、死後硬直も遅らすことが出来るのですが、さらに最良の方法は神経締めすることです。
 
一気に締めて脳から信号が送られなくなっても、脊髄上部にある神経筋に髄液が残っていると、ここからも鮮度や死後硬直を早める信号が送られ続けるのです。
 
 
その信号を遮断するために神経筋に針金を通し、髄液を抜く行為が神経抜きとか神経締めと呼ばれるものです。
 
野締めしたあとさらに神経締めで髄液を抜くことによって、かなり長時間、死後硬直を遅らせることが出来ます。
 
神経締めしておけば、釣り上げてから2日も経つのに歯応えも味もあるマダイのお造りがいただけるのです。
 
 
さて、神経締めをやってみたいけど、その方法が分からないという人のために、割合、神経締めしやすい魚の神経締めの方法を少し紹介しておきましょう。
 
 
神経締めしやすい魚の代表がマダイとブリやハマチではないでしょうか。
 
野締めした後、尻尾の付け根をナイフで切り(切断してしまうのではなく3分の2ほど切る)切り口を開くと脊髄の上(背側)に白く見える小さな穴があります。

これが神経筋なので、ここに針金を通し何度も入れたり出したりを繰り返しながら髄液を絞り出すと完了です。
 
 
これをやると野締めしたあとなのに、針金を動かすたびに魚は苦しがって暴れます。
 
魚が暴れないときは、針金がうまく神経筋に入っていないので、もう一度やり直して下さい。

こうして神経締めした魚は、余り冷やし過ぎないようにして持ち帰って下さい。
 
いくら神経締めした魚でも、冷やし過ぎるとやはり死後硬直が早くなるのです。