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2014年5月8日

花見ガレイ

南から北へとサクラ前線が北上中です。
 
海の春は陸上より1カ月遅れ、といわれますが、毎年、この季節になると産卵を終えてしばらく食いが遠のいていたカレイが再び釣れ出すので、釣り人はこの時期に釣れるカレイを花見ガレイとか戻りガレイと呼んでいます。
 
花見ガレイというのは、もちろんその時期がちょうど桜が咲く季節と重なるためであり、戻りガレイは再び接岸してくるのではなくて食いが戻るといった意味なのです。
 
産卵直後は痩せて身も薄く、味も落ちていましたが、花見ガレイのシーズンには再び食欲を回復し、身も厚くなって釣りごろ食べごろになっているのです。
 

俗に左ヒラメに右カレイといわれるのは、目が体の片側に寄っているためですが、これの判別法は、魚の頭を手前にして尻尾をつかみぶら下げたとき目が左に寄っているのがヒラメ、右に寄っているのがカレイということになっています。
 
ところが中には天の邪鬼なカレイがいて日本海に多いヌマガレイはヒラメと同じ左側に目があります。
 
 
カレイやヒラメの目は、生まれたときから片側にあるのではなく、仔魚や稚魚の時代は普通の魚と同じように左右対称で両側に目があります。
 
ところがマコガレイを例に取ると体長4・1ミリの頃から移動を始め、10ミリぐらいで頭のテッペンに移り13・5ミリになると完全に右側へ移動してしまうそうです。
 
目が完全に移動すると海底に体を横たえて生活するようになり、腹側の色素が抜けて白くなってしまうのです。
 
また、カレイはカムフラージュの名人で背側の色素を変化させて周りの海底の色と同化させることができるので、海底の忍者ともいわれますね。
 
 
形がよく似ているせいかカレイとヒラメは混同されることが多いですね。
 
北九州でヒラメのことを大口カレイと呼ぶし、瀬戸内でデビラとかデビラガレイと呼ぶのは、ヒラメの仲間のガンゾウビラメなのです。
 
呼び名で面白いのは、北の海や日本海側に多いババガレイですね。
 
ババとは老婆のことですが、奇しくも英名がOld woman flo-underで、語意は日本と同じババガレイなんです。
 
とても偶然とは思えないネーミングですね。
 
ちなみにフローアンダーとはカレイ類のことで、よくフランス料理の食材にされるシタビラメは、ソール(靴底)とかソールフィッシュと呼ばれています。
 
 
さて、関西で釣りの対象になっている代表的なカレイは、マコガレイとイシガレイです。
 
マコガレイは、瀬戸内ではアマテとかアマテガレイと呼ばれていますが、口が小さいのでクチボソとも。
 
一躍マコガレイの評価を高めたのは大分県の別府湾に面した日出(ひじ)の城下ガレイですね。
 
かつて日出には木下藩の城があって、その城の下でよく取れため城下ガレイと呼ばれるようになったのですが、ここのマコガレイが特にうまいのは、海底から湧水が出ていて他の海域に比べプランクトンが豊富でカレイもよく育つためだといわれています。
 
この城下ガレイは産卵を終えて太り始める4月下旬から6月ごろが一番うまいといわれています。
 
 
イシガレイは、イシモチとも呼ばれるように背側に硬い石状の突起が並ぶのが特徴です。
 
マコガレイより大型になるのですが、とれた場所によって独特の臭気がするものがあります。
 
 
キスは脚で釣れ、カレイは腰で釣れ、と言う名言がありますね。
 
不思議なことにカレイは潮時が来ないと、そばにエサがあっても口を使わない魚なのです。
 
だからアタリがなくてもじっくり腰を据えて、潮時を待った方がいいという教えなのです。