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最新攻略コラム

2014年1月30日

チューニング・メンテナンス実例(ダイワ ソルティガZ4500)

皆さんこんにちは(^-^)
 
ヘッジホッグスタジオ メンテナンスセンターの内田です。
 
今回より、実際に当社で施工させていただいた、リールのオーバーホールやチューニングの実例をご紹介させていただきます。
 
第1回目は、ソルティガZ4500 のオーバーホールの実例です。

オーナーからのご相談内容

中古で購入後、約2年間使用。
 
使用用途はオフショアでのジギングで、月間2回程度の釣行頻度。
 
購入時からややシャリシャリした感じがあり、ここ数回の釣行では、ハンドルが逆回転することがある。
 
逆転の修復と、可能な限りシャリシャリ感を改善して欲しい。 

分解前チェックでの所見

お預かり後、回転チェックをしてみましたら、結構な頻度で逆転しました。
 
また、回転時にはオーナーからのご相談があったようにシャリシャリした感じがあります。
 
この時点で、ワンウェイクラッチとベアリングに原因があるのではという仮説が立てられます。
 
「ワンウェイクラッチ」とは、ハンドルの逆転をとめる装置で、機種によっては「インフィニットストッパー」とか「ローラークラッチ」、「ローラーベアリング」と呼ばれている部品です。
 
リールのスペックに、ボールベアリング5個、ローラーベアリング1個、なんて表示してありますよね!
 
当社では、作業のご依頼を受けた場合、まずは外見・回転チェックを行い、どのような状況か仮判断をし、お客様のご相談内容との食い違いがないかどうかなど調べます。

分解検証・オーバーホール作業

今回は、ワンウェイクラッチとベアリングに不具合があるという仮説を立てての検証でしたので、その部分の状況をお伝えします。
 
スプール・回転枠を取り外し、ピニオンギヤとベアリングを抜き取ると、写真のようになります。

写真の赤いリングが見える部分がワンウェイクラッチです。
 
少しわかりにくいかもしれませんが、水がたまってます。
 
また、本来注油してはいけないグリスが混入しています。
 
このグリスはオーナーの作業で塗りこんだのではなく、ほかの部品のグリスが溶け出して混入したものだと考えられます。

ギヤボックスのほうにも、水分がたまっていました。
 
塩分結晶も少しありました。
 
ソルティガZは防水パッキンを採用しているので、水分が浸入しにくい構造ではありますが、分解してみると結構水分が浸入していることが多いです。
 
このことからも、メンテナンスフリー機種でも、定期的に分解・洗浄のオーバーホールは必要だということがわかりますよね!
 
今回は、逆転については、ワンウェイクラッチ部分は交換せずに、洗浄・調整で回復できました。
 
また、内部ベアリング4個ほど塩ガミしてガリガリしていたため、交換し、組み立て後、かなりスムーズな回転がよみがえりました。
 
今回は、ギヤ磨耗など重篤な不具合はありませんでしたが、軽度な不具合が出ているのにそのままで使用を続けると、ほかの部品に影響が出て、修理代がかなりかかってしまう原因になることがあります。
 
定期的にオーバーホールすることと、「おかしいな」と感じたら、症状が軽いうちに、検査・修理などを行うことが、大切なリールを長持ちさせるコツです!
 
次回は、リールチューニング最新攻略!~チューニング・メンテナンス実例prat02 ~をお送りする予定です。
 
お楽しみに!