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2012年3月29日

あなたは縦縞?それとも横縞?

世界中の海や湖、川や池、あるいは小さな用水路にも魚は棲んでいます。
 
研究者の間では、世界中に約2万種の魚が生息していると言われていますが、それらの魚をすべて釣り上げた人もいなければ、見た人もいないと思います。
 
世界中の国土からみれば小さな日本ですがその小さな国を取り巻く海や川、湖などに約3000種の魚が生息しているといわれています。
 
そして、そんな魚にひとつひとつが特徴を備えており、大きな魚は大きいなりに、小さな魚は小さいなりに、それぞれが自己主張しているのです。
 
中でも最も分かりやすいのが、魚の体表にある模様ではないでしょうか。
 
その模様は、斑点あり、斑模様あり、縞模様あり、魚によっては銀ぴかだったり、真っ黒だったりしますが、それもそれぞれ魚の特長を表わす大切な要素であり、仲間を識別するための目印になることもあるのです。
 
魚の縞や斑紋の入り方によって、それぞれに呼び名がつけられています。
 
斑点の場合は、黒斑や白斑など色によって呼び分けることが多いのですが、マトウダイのように体側に大きな的のような斑点があるものは、眼状斑と呼び分けています。
 
淡水魚でいえば、オヤニラミの斑点も眼状斑ですね。
 
そういえば、気が付きにくいのですがクラカケトラギスの尻尾の付け根にも、この眼状斑があります。
 
そして、体側にあるV字型の縞を馬具の鞍に見立てて鞍状斑と呼びます。
 
そして、最もポピュラーな縦縞と横縞がありますね。もうひとつ体側を斜めに走る縞は斜走帯と呼びます。

ここで、最も基本的な質問をしてみましょう。
 
釣りをしない人は、ほぼ100㌫間違えますが、釣り人に中にもご存じでない方がかなりおられるようですよ。
 
では、イシダイの縞は縦縞でしょうか、横縞でしょうか?。
 
たいていの人が縦縞と応えます。イシダイが泳いでいる状態から見ると、背から腹へと縞模様が入っているから、あれは縦縞だと思いこんでおられますね。
 
同じような例でいくと、頭から尾へと縞が走っているイサギの幼魚は、間違いなく横縞だと思いますよね。
 
ところがイシダイの縦縞もイサギの横縞もどちらも間違いなんです。
 
魚類学では、縦縞を縦帯、横縞を横帯と呼びますが、イシダイの縞は横帯であり、イサギの横縞が縦帯になるのです。
 
これは、魚が泳いでいる状態から想定して縦横を決めたからではないのですね。
 
人間と同じ状態、つまり、頭を上に尻尾を下にして縦と横を決めたために、こんな混乱が起きるのです。
 
イシダイの頭を上にして縞を眺めて下さい。縞は上下ではなく左右に走っていますね。
 
だから横帯、つまり横縞なんです。
 
同じようにイサギの幼魚を頭を上にして縞を眺めて下さい。縞は左右ではなく上下に走っていますよね。
 
だから縦帯、縦縞なんです。ただ、イサギもはっきり縞があるのは幼魚の間だけで、大きくなると縞が消えてしまいますよね。
 
これはイシダイも同じです。
 
ただ、イサギとすこし違う点は、イシダイのオスは、成長するにつれて縞が消えてしまうのですが、メスは大きくなっても縞が残る点です。
 
ですから釣り人は、成魚になって縞が消えたオスを銀ワサ、成魚になっても縞が残るメスを本ワサと呼び分けています。
 
次回は、釣り番組のからくりを紹介します。