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2015年1月29日

イカの刺身は縦切り?横切り?

ケンサキイカは、頭頂部が剣のように尖っているところから生まれた呼び名だが、但馬海岸から山陰にかけての日本海側でシロイカと呼ぶのは、赤から透明な体に変身したときの色をさすのか、それとも死後の白濁した色からきたものか定かではない。
 
が、南紀のアカイカは釣り上げた直後の目の覚めるようなワインレッドから生まれた呼び名らしい。
 
胴が太くて丸いので関東ではマルイカ、若狭湾ではマイカ、ケンサキイカの名産地である。
 
長崎県では、五島列島周辺が漁場になるためゴトウイカとも呼ばれる。
 
 
船では、夏から秋にかけての釣り物だが、極寒の季節から春は、産卵のため岸近くに寄ってくるので山陰地方では地磯から狙える人気のターゲットなのだ。
 
 
ケンサキイカは頭足綱、ツツイカ目、ジンドウイカ科のケンサキイカ。
 
頭足綱とは、イカ、タコの仲間で多数に分かれた足が頭部の前方につき袋状の外套膜に包まれた内臓塊が頭部の後ろに位置するもの。
 
もっとわかりやすくいえば、頭からすぐに足が出ていて、人間の胴に当たる内臓の詰まった部分が頭の上にのっかっているけったいな動物ということになる。
 
このけったいな軟体動物の一種であるケンサキイカが、釣り人だけでなく巷間でもてはやされるのは、ひとえに食ってうまいからである。
 

釣り上げた直後の透明感のある身を、あくまで細く、どこまでも長く切り揃えて大振りの鉢に盛り、おろしショウガと卵の黄身を添え、醤油か素麺つゆをぶっかけたあとよくかき混ぜ、いわゆるイカ素麺にしてうどんかそばを食べるときの要領で、ズズッとすすり込んだときの感触と、そのあとののど越しがたまらない。
 
もちろん気が向けば、すすり込んだ身を噛みしめてみたりもする。
 
スルメイカほど強情ではなくて、ほどよく口の中で弾む歯ごたえとほんのり甘い身の感触に感激して、よくぞ日本人に生まれけり、と思うこと間違いなしだ。
 
 
さて、釣ってきたイカでイカ刺しを作るとき、よく間違えるのがイカ切り方。
 
イカの繊維は体に対して横に走っているので、胴体を輪切りにすると繊維が切れたことにならないため食感が変わる。
 
イカ素麺や造りにするときは、開いた胴を刺身にする幅だけまず横に切り取り、その身を今度が縦切り(頭から脚の方向)にすると、硬い繊維が切れて一段と食感がよくなる。
 
これはほかのイカでも同じだ。
 
一度お試しあれ。
 
 
もうひとつ、長崎県の呼子といえば、ケンサキイカの活け造りで有名。
 
生きたものを目の前でさばいてくれるのがウリだった。
 
かつては、生きたままの輸送が難しく、こういう食べ方は現地へ行かなければ無理だったが、イカを仮死状態にして輸送する方法ができたため、大都会の真ん中でもケンサキイカの活け造りが食べられるようになった。